The HIATUSのCloneが枕元から聞こえる、ああ、俺のiPhoneのアラームがなってんのか。
ええと、そうか、ここはモロッコのマラケシュで、昨日は日本に少しの間住んでたっていうドイツ人とのゲームに負けて飲まされて、そのまま寝たのか。
オッケーオッケー。チェックアウトしてフェズまで電車移動だな。
無料の朝食を軽く口に放り込み、バックパックを背負ってホステルを出た。とりあえず駅まではタクシー、いくらまで値切れるかなあと考えながら大通りに出ると、昨日はそうでもなかったのに、大勢の客引きが声を掛けてくる。
この旅を通して何度も遭遇することになった不思議なんだけど、一体彼らはどうやってタクシーの必要な人とそうでもない人を見分けているんだろう。
とはいえ客引きも一種の仲介業者であって、こういう場合はドライバーと直接交渉した方が安い。
最初50DHだったものが、次第に30DHになり、最後は25DHで同意。半額じゃねえか。。。
駅でチケットを買い列車に乗り込むと意外と綺麗、席は向かい合わせの3人掛けボックスシートになっていて、そんなに混雑もしてない。
モロッコ中央の都市マラケシュから北に位置するフェズまでは電車で約8時間、道中トラブルもなく夜6時過ぎに到着した。

治安の関係もあり、夜に新しい街に着く観光客のほとんどはタクシーを利用するため客引きは熾烈を極める。
「おい、お前タクシー使うか」おっさんが声を掛けてくる。
「うん。ルシーナ広場まではいくら?」
「50だ」「20なら乗るよ」「40までしか下げられない」「じゃあ他を当たるよ」
「分かった。夜間だから20にはできないけど、30で乗せてやる」
「はいはい、じゃあ俺売店で食べ物買って戻ってくるよ」
適当な理由をつけておっさんを巻いて他のドライバーと交渉しようと思ったんだけど、おっさん駅の出口で俺のこと張ってた。まじこえー。
「戻ってきたな、35DHで広場まで、いいな?」「いやさっき30言うたやんけ」
予想以上に値切られたのか、俺を車に乗せたまま「タクシー!」としばらく雄叫びをあげて、デンマーク人の男を捕まえ帰ってきた。おい、相乗りとか聞いてねえぞ(笑)
電車移動中に予約したホステルは一泊800円程だったが経営者がフランス人らしく、清潔でしっかりお湯も出た。
(旧市街の安宿はなぜか中央がブチ抜かれた作りになっているものが多くて、雨が降ったらどうすんだろうなと心配していたが、結局最後まで雨は降らなかった)
久しぶりに清潔なシーツに包まって寝れることに安心し、同部屋のドイツ人の女の子3人組にオススメのレストランを聞いて、クスクス(これで300円!)を食べて深い眠りについた。

