モロッコ旅行記⑥ 【2月27日〜3月3日 】

【2月27日】

マラケシュ、特にフナ広場周辺にはサハラ砂漠のツアー斡旋業者が大勢いるが、日本の繁華街で居酒屋のキャッチについて行ってもロクなことにならないように、ツアーは信頼のできる人物、例えば泊まっているホテルやホステルのフロントに案内してもらうのが定石だ。

今回俺が参加したのは2泊3日で世界遺産を巡り砂漠で一泊する、朝夕食コミのバスツアー。750DH≒9000円だった。ホステルで契約したんだけど、同行者に聞く限り、粘り強く交渉すれば700DHまで落とせるらしい。ちくしょう、知らなかったぜ。本当は自分で行きたかったんだけど、一人でレンタカー借りてもコスパ悪いし、現地の人の色んな話を聞いてみたかったのでツアーへの参加を決めた。

出発は2月27日の早朝、同じツアーに参加する同部屋のウクライナ人3人と朝6時半ごろにホステルを出た。街中で同ツアー参加者をピックアップして小型バスはマラケシュを出た。周りを見ると一人で参加してるのは俺だけ、かつ、ほとんどがイタリア語圏からの旅行者でということがわかった。

まず向かったのは世界遺産アイット・ベン・ハドゥの集落。

映画『ソドムとゴモラ』『アラビアのロレンス』『グラディエーター』のロケ地としても有名な場所で、孤立した集落であるがゆえに、盗賊などの掠奪から身を守るため、城砦に匹敵する構造になっている。俺の大好きな日本のロックバンドACIDMAN『アルケミスト』のPVもここで撮影された。ずっと行きたいと思っていた場所だ。

が、すでに6日ほどモロッコを旅してきた俺には特別新しく写ったものはなかった。これは後から知ったことだが、もうここに人は殆ど住んでおらず、毎年莫大な観光客が訪れるだけの形骸化した場所らしい。

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世界遺産のアイット・ベン・ハドゥ

マラケシュからサハラ砂漠へ行くにはアトラス山脈を越え数百キロ車を走らせないといけないので、移動時間がツアーの大部分を占める。

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ホテルの目の前が絶景。
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ガイドの人

 

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車窓から

次に訪れたのがベルベル族のおじさんの家。Take a smile, Don’t worry be happy.って松岡修造みたいなこと言ってたけど、ここ数十年でモロッコがどう変わったのか、子供達の教育は?どう生きてきたのかという話は非常に含蓄に富んだもので、その優しい語り口と独特の雰囲気、時折見せる笑顔からは、彼の歩んできた人生がにじみ出ていた。一通り民芸品、カーペットやバッグなどを宣伝した後も、写真は自由に撮っていい、話を聞いてくれてありがとうと謙虚に話す姿は、街の商人とはあまりにかけ離れたもので、親近感を覚えずにはいられなかった。

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ベルベル族のおじさん、ハンドメイドのカーペットを紹介してたけど、押し売りはしてこなかった。

初日に立ち寄ったのは基本ここら辺、アトラス山脈を越えるのに何度か車を止めて写真撮ったりする時間もあったんだけど、そこで撮った写真はまた別の機会に。さっきも書いたように俺一人参加だったんだけど、イタリア人の男3人組に混ぜてもらってずっと話してたから退屈はしなかった。初日の夜は山間部にあるホテルに宿泊。夕飯も結構豪勢なうえ、一人が幸いして図らずもこの旅初めての個室をあてがわれた。これコミで2泊3日9000円ってすげーいいじゃんと一瞬だけ舞い上がったが、待てど暮らせどシャワーから流れ続ける冷水は俺を容赦無く現実へと引き戻した。

【2月28日】

やっとサハラ砂漠に行ける。キッカケはなんだったか思い出せないけれど、多分中学生か高校生くらいのときからずっと夢見ていた場所だ。大好きな小説、パウロコエーリョの『アルケミスト』でも砂漠は重要な舞台だったし、砂漠を旅するゲーム『風ノ旅ビト』も俺が強く影響を受けたものの1つだ。自分が弱くて、怠惰で俗世的な人間であることを分かっていたので、砂漠というもののもつ厭世的なイメージとミステリアスな部分、そこで暮らす人たちの強さやかっこよさに憧れていたんだと思う。ずっと夢に見ていた土地に辿り着いたとき、自分はそこで何を思うだろうと、この日はずっとワクワク、モヤモヤしていた。

ツアーに昼食は含まれていないので、バスは毎日昼になると観光客向けのレストランに寄る。効率的に料理を出せるように絞り込まれた少数のメニューと強気な値段設定に辟易していたが、ここではオーナーの息子が無邪気に絡んできて好感が持てた。

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レストランの経営者の子供

砂漠の前にトドラ渓谷に立ち寄った。切り立った崖が数百メートル続く渓谷地帯で、ヨセミテに並ぶロッククライミングの聖地らしいのだが、チラッと降りただけでバスに戻されてしまい、奥まで見ることはできなかった。が、ラッキーなことにたまたまこの渓谷に水を組みにきていた本物のノマド民族を見ることができた。大人たちはやはり人目を気にした感じで話せなかったけど、子供にはそんなの関係ない。言葉も何も分からなかったが、こちらに笑顔を向けてくれた子達のこれからが、どうか幸せでありますように。

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ノマド民族の少女
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ノマドの兄弟

気づいたら眠っていた。長距離移動の疲れか、昨日のホテルの部屋が寒すぎて早朝に起きたせいか分からないが、窓の外を見ると、一面砂嵐に包まれていた。Google Mapを確認する。間違いない。サハラ砂漠だ。車を降りて俺が次に乗ったものはラクダ。もうほんっとうに、最高の気分だった。

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もう言葉はいらない。

股関節とケツが悲鳴をあげている。砂漠の柔らかい砂に足を取られながら進むラクダは、左右上下に容赦無く体を揺さぶってくる。でもずっと乗っていたい。なぜか両頬がつりそうだ。前を歩くツアー同行者に言われて気づいた。「タイガ、ずっと笑ってるよ」

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夜の宴、原始の音
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Forever roaming
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最後まで読んでくれてありがとう

俺がここで何を思ったとか、砂漠で何をしたとか書こうと考えてたんだけど、やっぱやめます。読んでくれてありがとう。是非コメント残してって下さい。

最後に、このモロッコの旅行記を、僕がこの旅をしているのと同時期にこの世を旅だった、一人の大切な友人に捧げます。

 

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